「求める結果が得られるかどうかは、その結果に対してどれだけの責任を背負うかにかかっている」のだと。
組織の構造や特性、事業の規模や内容がどうであろうと、最新の戦略をいくら取り入れようと、
事業をどれだけうまく立て直そうと関係ない。望む結果を生むのは自分自身の責任だと一
人ひとりが自覚しない限り、組織の成功は長続きしない。
当事者意識を確立するには、自分のやったこと、やらなかったことを踏まえて、事態の裏表を見つめるハートが必要である。
つまり、被害者としての視点から、自分の責任という視点に変えて事態を見つめるのだ。
「主体的に動く~オズの魔法使いに学ぶ組織作り~」ロジャーコナーズ他著/ディスカヴァー・トゥエンティワン
今から10年以上前の本なので古い本ですが、よく読み返している本の一節です。
この本の面白さは組織で成長する人財と「オズの魔法使い」のストーリーを組み合わせているというところです。
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『オズの魔法使い』は、ライマン・フランク・ボームによって書かれた児童文学作品です。
カンザス州に住む少女ドロシーは、愛犬トトと一緒に家ごと竜巻に巻き上げられ、魔法の国オズに飛ばされます。
家が落ちた先は東の悪い魔女を倒したことで、善良な北の魔女から銀の靴をもらいます。
ドロシーはカンザスに帰るために、黄色いレンガの道を通って、エメラルドの都に住むオズの魔法使いを訪ねることにします。
道中で心のないブリキの木こり、脳のないかかし、勇気のないライオンと出会い、
彼らもそれぞれの願いを叶えるために一緒に旅を続けます。
エメラルドの都に着いた一行は、オズの魔法使いから西の悪い魔女を倒すことを条件に
願いを叶えてもらえると言われます。
彼らは勇敢に悪い魔女を倒し、オズの魔法使いに戻りますが、実はオズの魔法使いは普通の人間だったことが明らかになります。
それでも、オズの魔法使いは知恵や勇気、心を象徴するアイテムを友人たちに与え、
ドロシーは結局、銀の靴の魔法の力でカンザスに帰ることができました。
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つまり多くの人が、誰かが自分を助けてくれると信じて黄色いレンガの道を歩いている。
でも実際にはオズの魔法使いは存在せず、途方に暮れる。
私たちは誰かが助けてくれるのではなく、自分で自分の力を手に入れることができることを知っているかどうかである。
この本はそのことを
「被害者意識」と「当事者意識」というくくりにわけ、被害者意識の強い人をライン下の人と呼び、
ライン上に上がるためには・・・というテーマで話しが進みます。
健全度が下がっているとき、「被害者意識」が強くなります。
被害者意識が強いと「会社のせいで」「上司のせいで」と常に周りのせいにする言い訳を繰り返します。
だからこそ「全員が経営者目線」、当事者意識の大切さを痛感できる一冊です。
興味のある方は夏休みのお共にぜひ読んでみてください。
佐藤 侑実

